Online Microscale Chem. Experiment 4   

 紫キャベツとpH

 荻野和子

  
Home準備解説 実験方法結果参考資料


 
準 備

購 入

入手法

15組作成

1

試薬整理箱(中型)

100円ショップで

15

購入

2

マイクロプレート(24ウェルプレート)

IWAKI

15x3

50個購入

3

投薬びん 乳児用 30mL 

アズワン

15x10

200本入り/箱

4

プラスチックピペット /スポイト

東京硝子

2

500本購入

5

緩衝溶液 pH 4,7,9

和光純薬

各1

各500mL購入

6

0.1mol/L NaOH

和光純薬

1

500mL購入

7

0.1mol/L HCl

和光純薬

1

500mL購入

8

ユニバーサルpH試験紙

TOYOろ紙

15

購入

9

ユニバーサルpH試験紙変色表

TOYOろ紙

15

購入

10

ムラサキキャベツ(1個) 

当日まで冷凍保存

色素抽出用

1

購入

11

トマト、シソ、紫タマネギ、ツツジ、アジサイの花、食酢、ワイン、ゆで卵

自由課題用

購入

項 目

 容 器

調製法

12

空投薬ビン (30mL)

投薬ビン (30mL)

希釈用

1

13

緩衝溶液 pH 5,6, 8,10 

各投薬ビン (30mL)

各25mL

各15

調製

14

緩衝溶液 pH 4,7,9

各投薬ビン (30mL)

各25mL分注

各15

500ml購入して小分け

15

0.1mol/L HCl

投薬ビン (30mL)

25mL

15

500ml購入して小分け

16

0.1mol/L NaOH

投薬ビン (30mL)

25mL

15

500ml購入して小分け

17

純水

投薬ビン (30mL)

25mL

15

調製

pH実験:ワークシート(pdfファイル)

     pHsheet.pdf

      実験器具キット                      ワークシート

 解 説   
 
pHと紫キャベツ 荻野和子


 実 験 

 

 【実験の概要】

 

1.標準pHの溶液を24ウェルプレートにつくる

  ユニバーサル試験紙(液)用、ムラサキキャベツ用、その他の植物色素用と3セットつくる。

2.上の標準pHの1番目のセットにユニバーサル試験紙(液)を加え、変色表と色を比べる。

  10倍希釈で、酸性側でもアルカリ性側でも、pHが1変化することを確認する。

3.上の標準pHの2番目のセットにムラサキキャベツを加え、pHによりムラサキキャベツの色がどのように変わるか調べる。

 

 <応 用>

4.自分の好きな植物から色素を抽出する(エタノールあるいは電子レンジ、水を使う)

5.標準pHの3番目のセットに上でつくった色素液を加える。

  自然界にあるいろいろな色素がpHにより色を変えるかどうか、変わる場合どのように変わるかを調べる。

(6.いろいろな身近なもののpHを調べる。)

 【実験の手順】

I.  ムラサキキャベツのpH試験液をつくる

  ムラサキキャベツを細かく切り,水に入れて煮立てると紫色に色素が抽出されるので,ろ過してろ液を試験液として使います。

II.標準pHの溶液セットをつくる

 ア.pH1−6の溶液: 一番上の段の液は塩酸を10倍ずつ薄めてつくる。

 24ウェルプレートをpHシート1の上に方向を間違えないように置き,下に書いてある溶液をそれぞれのセルにつくる。

 シートには、10倍に薄めるとpHは1ずつ変わると仮定したpH値が書いてある。

pH1の溶液:0.1mol/L塩酸10滴を入れる。
pH2の溶液:pH1の液1滴と純水9滴を入れよく振り混ぜる
以下同様にして順に希釈してpH6のウェルまで試料をつくる。

 イ.pH5−10の溶液: 

 二番目の段に用意してあるそれぞれのpHの緩衝溶液を9滴ずつシートに記載されているウェルに入れる。

 

 ウ.pH11−13の溶液: 

  3段目の液は0.1mol/L水酸化ナトリウムを10倍ずつ薄めてつくる。

  シートには、10倍に薄めるとpHは1ずつ変わると仮定したpH値が書いてある。

pH 13の溶液:0.1mol/L水酸化ナトリウム )10滴を入れる。
pH 12の溶液:pH 13の液1滴と純水9滴を入れよく振り混ぜる。
pH 11の溶液:pH 12の液1滴と純水9滴を入れよく振り混ぜる。
pH 10の溶液:pH 11の液1滴と純水9滴を入れよく振り混ぜる。

 

III. 溶液を10倍に薄めるとpHは1変わる?

 II で用意した標準pHの溶液の入ったウェルにユニバーサルpH試験液を2滴ずつ加え、変色表と比べます。

 2番目の段の緩衝溶液は正しい値を示すはずです。

 ただpH8は、変色表がにごった青色なのに対し、試料液は濁りのない青色となります。変色表がpH試験紙用であるための違いです。

 

 ア.II のア、ウでつくった液のpHはどのようになりましたか。

   シートに書いてあるpH値と比べるとどうでしょうか。

   一致すればどのようなことがいえるでしょうか。

 イ. (探求例)10倍希釈でpHが1変化するというのは、どのような範囲で成り立つのか調べる。

 

IV.ムラサキキャベツの色とpH

 ア.24ウェルプレートをpHシート2の上に方向を間違えないように置き,あらかじめ用意されている

   pH1-13の溶液を指定されたウェルに9滴ずつとる。

 イ. ムラサキキャベツ試験液を2滴ずつ加える。

 ウ.ムラサキキャベツの色素の色はpHによってどのように変化したか記録する。

 

V その他の植物の色とpH

 ア.調べたい花、葉あるいは果実から色素を抽出する。

  100mLビーカー中、水あるいはエタノールに浸してから絞る。

 イ.あらかじめ用意されてpH1-13の溶液を別のプレートに9滴ずつとる。

 ウ.自分でつくった色素液を2滴ずつ入れる。

 

VI 身近なもののpH

 身近にあるいろいろなもの、たとえば、清涼飲料、ジュースのpHを調べてみよう。

 pH シート4を用いてもよいし、自分で適当な方法を考えて記録してもよい。 

 

 

 実験結果 

 

  実験2> ユニバーサル試験紙(液)          実験3> ムラサキキャベツ    

     

 

 <応用>

         シソの色とpH                 オシロイバナの花の色とpH

      

     

       ゆで卵が紫キャベツで青色に染まる

高校生の自由実験から <古くなった牛乳(ヨーグルト)と牛乳のpH>

 

 

  


参考文献: 荻野和子・田嶋智子・東海林恵子・金和宏. 酸塩基に関するいくつかのスモールスケール実験 , 化学と教育, 49(6), 348 (2001)