Online Microscale Chem. Experiment 2   

 ダニエル電池

 荻野和子・東海林恵子

  
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準 備

実験器具:

  • 12-ウェルセルプレート
  • 30m・スポイトびん4)(水溶液を入れ,各グループに配付する)
  • みの虫クリップつき導線
  • テスター
  • ICメロディー
  • プロペラつき小型モーター
  • 発光ダイオードなど直流電圧を検知するもの
  • ダニエル電池では半透膜(セルロース透析チューブ)
  • 鉛蓄電池では3V平角電池

試薬類

  • 1.0mol/L CuSO4
  • 1.0mol/L ZnSO4
  • 1.0 mol/L Na2SO4
  • 銅板、亜鉛板(いずれも1cm×5cm程度)

ダニエル電池:ワークシート(pdfファイル)

 解 説  
●  電池をつくろう 
  ダニエル電池 (化学エネルギーを電気エネルギーに変 える)
 
高校の教科書に必ず出てくるダニエル電池を、セルプレートを使ってつくってみま しょう。
ダニエル電池は教科書には下図のように描かれています。素焼きと書いてある壁は正 極の部分と負極の部分を分けるもので,イオンを通します。マイクロスケール実験では,素焼きの代わりに透析チューブを使います。
 
各極では次の反応が起こります。
 
正極(銅)   Cu2++2e- → Cu
 
負極(亜鉛)  Zn  → Zn2++ 2e-
 
亜鉛がイオンになって、電子を出します。
 
この電子がコードを伝って、銅板に流れ込みます。そして銅(?)イオンが電子を受 け取って、金属の銅になります。
電流の向きは電子の動きと逆です。銅のほうがプラス極、亜鉛のほうがマイナス極に なります。
全体としての反応は
 
           Cu2++Zn → Cu+Zn2+
 
で,亜鉛がイオンになって溶けだし,金属銅が析出する反応です。
ここでは化学エネルギーが電気エネルギーに変わりますが,電気エネルギーを音のエ ネルギーに変換したり,運動のエネルギーに変換しましょう。
 
 ※ここでは飽和食 塩水を使う。希薄な食塩水を使うと,水の電気分解と食塩水の電気分解が同時に起こる。
 

 

 


 実 験 1

 ダニエル電池をつくる

 実験ワークシート

 

シート(電池)に記されているように一つのウェルに1 mol/L CuSO4を約2 mLとります。
長さ6 cmほどの透析チュ−ブを純水で湿らせて柔らかくし,一端を縛り(結び目をつくる)袋状にして1 mol/L ZnSO4約1 mLを入れる。この袋をCuSO4の入ったウェルに立てる。
1 mol/L CuSO4中には銅 板を,1 mol/L ZnSO4中には亜鉛板を立て,これらの電極の電圧 をテスターで測定する。 化学エネルギーが電気エネルギーに変わるのがわかるであろう。
ICメロディーやプロペラモーターにつないでみよう。
 
探究  
2種の金属とその塩の溶液を組み合わせると、電池ができる。
ダニエル電池では2種の金属として銅と亜鉛を使いましたが、 他の金属を使うとどうなるだろうか。
イオン化傾向を参考にして結果について考察しよう。

 

       電池の起電力を測る → 1.039V   


 実 験 2

  塩橋を使った電池

    

                                  ろ紙塩橋電池の起電力を測る → 1.01V

    

      電池でプロペラモーターを回すことができるか?           ICメロディーが奏でる

  


参考文献: 東海林恵子, 荻野和子 「電池に 関するいくつかのスモールスケール実験」化学と教育, 49, 713(2001).